HP独占インタビュー【rice活動休止について】
第4回連載「海外見聞録」
第3回連載 特別企画「rice×ACID」
「Heart is always...」(全3回) 第2回
──では、前回に続き、「Heart is always...」の制作秘話を聞かせてください。今回のレコーディングは、振り返ってみてどうでしたか?有紀:例によって滞りなく進んだんだけど…とにかくね、レコーディング本番での相棒のテンションといったら。半端ないよ。独走態勢だもんね!
HIRO:あはははは(笑)。
有紀:事前に相談して作るたたき台があるんだけど、録音本番の時にはそれをフル無視だからね! “俺はやっぱりこう叩きてぇから!”とか言ってさ(笑)。
HIRO:いやいやいや、俺ん中ではフル無視でもないんだけどね(笑)。
有紀:打ち込みのデータを慌てて書き直したりする大変さはあるけど(笑)、自由な発想が出てくること自体は楽しかったりするからさ。そういう意味でも、今回も申し分ないレコーディングができたかなとは思ってる。
──せっかくだから、TEL-SEAくんの立場からみた今回のレコーディングの感想も聞かせてもらおうかな。
有紀:(合図)
TEL-SEA:ウエェ~!!
──TEL-SEAくん、気が抜けないね(笑)。
TEL-SEA:もう、つねに(有紀の動きを)視界に入れてないといけないから……(と言ったそばから合図が飛ぶ)ウエェ~!!
一同:爆笑!
──はいはい、わかりました(笑)。で、今回のレコーディングはいかがでした?
TEL-SEA:自分にとって、riceのレコーディングは2回目なんですけど、今回はデモの段階から一緒にやらせてもらったんですよね。
──さらに近い原曲の段階から一緒に作っていったの?
TEL-SEA:そうですね。アレンジが入ってない段階から一緒にやらせてもらいました。そういうのもあって、今回のシングルはすごく身近に感じるんですよ。ライブで演奏する時も今まで以上に思い入れと親近感があるし。
──TEL-SEAくんは、これまでもいくつかのバンドのレコーディング現場を経験してると思うんだけど、riceのレコーディング現場ってどんな雰囲気ですか?
有紀:あ、それ、俺も聞いてみたかった!
TEL-SEA:最初はもっとピリピリしてると思ってたんです。でも、実際に現場に行ったら、演奏する時に余計な緊張を感じるようなピリピリはまったくありませんでした。むしろ、和気あいあいとした楽しそうなムードがあったんですよね。とはいえ、いざ“やりましょう”となると、ピリッと空気がしまるというか。
──メリハリがしっかりしてる?
TEL-SEA:はい。演奏してる時は真剣なんだけど、楽器から離れるとみんな笑ってられるんですよ。さっきドラムに座ってた真剣な顔した人はどこ行った? みたいな。
HIRO:あれ~?(笑)
TEL-SEA:でも、そういう空気感が俺的にはすごくやりやすいなって思ったんですよね。
──ほお。有紀くんとHIROくんは、そういう雰囲気作りは意識してやってることですか?
HIRO:特別心がけてることはないんだけど……
有紀:自分たちの好きなものをレコーディングっていう空間に盛り込んで行ったりしてるだけなんだけどね。たとえば俺だったら、家からご飯作って行ってみんなにふるまったり。だから、ウチの現場ってやっぱり、白黒のはっきり具合はかなりあるかな。そのぶん、会話も遠慮なくできる雰囲気ではある。
──言葉で言うととても理想的に聞こえるけど、そういう環境を作ることってなかなか難しいことだよね。
有紀:ぶつかり合うことがバンドにとって必要だという人もいるよね。でも、俺の場合、全然そうは思ってないんだ。むしろ逆。とはいっても、どっちが正しいわけじゃないから、これは、価値観の違いってことで簡単に片付けてしまいたいんだけど。で、俺の場合、魅力的で好きなプレイヤーたちと一緒にやれてるわけだから、お互いのいいところだけ見えてたらいいんじゃないかって思ってて。その最たる人間が相棒だったりするんだけど、お互い、悪いと思うところは本人が一番よく知ってるわけでしょ? それをそれぞれが意識していけばいいんだと思う。でももしかしたら、本人は悪い面だと思っていることだって、周りからしたら魅力的かもしれないし。だからとにかく、自分の耳に聞こえたもの・自分の目で見えたもの・自分がステキだと思うこと……をあますところなく後悔しないように言わなきゃって思ってるから。
──そういった考えがあってこそのrice流の現場スタイルができるわけですね。
有紀:そう。それがあっての、スイッチのオン・オフかもしれない。ウチの場合、人に託してる部分と人から託されてる部分がハッキリしてるんだよね。それが強みだと思うし、それが俺たちにとってのスタンダードなのかな。今回のレコーディングは、そういう意識が特によく集約された瞬間が多かった気がするかな。
~~次週へ続く~~