HP独占インタビュー【rice活動休止について】
第4回連載「海外見聞録」
第3回連載 特別企画「rice×ACID」
春の好き間・スペシャルインタビュー
2009年3月28~29日に行なわれた、riceファン旅行“春の好き間”。 西方面での春旅行は実に久しぶりとのことで、メンバーも集まったお客さんたちもとっても楽しそうだったこの時の模様は、 有紀が自身のblogに載せた写真を見てもらえればわかる通り☆ここでは、1日目の日程を終えたばかりのメンバーたちに直撃したインタビューをお届けします。旅行に参加した人もできなかった人も、メンバーたちの充実した語りぶりから、旅行で得た新たな手応えを感じてください!──ただ今深夜2時を過ぎたところですが、先ほど“BAR yuro”を終え、“春の好き間”の1日目が無事終了しました。 お疲れのところ恐縮ですが、今回集まった豪華メンバーでのインタビューを執り行いたいと思います!まず、参加者の自己紹介から……。
HIROKI:コーラスを担当させていただきましたHIROKIです。
──“好き間”への参加は?
HIROKI:初めてです。
──お隣はおなじみの……
TEL-SEA:ギターのスーパーです。
一同:ぎゃはははは!(※クイズ大会の際、スーパーTEL-SEA人形が登場して会場が沸きました)
──そしてお隣は。
愛歌:コーラス担当の愛歌です。“好き間”は初参戦です。
──そのお隣はお久しぶりのふーみんさん。
ふーみん:以前、3回ぐらい参加させてもらったことがあったんだけど、3~4年ぶりの参加ですね。久々のカムバック。
淳:僕は2回目ですね。ベースの淳です。
──今回、このメンバーを集めた経緯は?
有紀:率直に言うと、演奏形態や編成に関してはノープランで、“一緒に旅して一緒にワイワイやりたいな”って思う人に声をかけさせてもらいました。そんでもって、ご都合良かったのが今回ご参加頂いたこのそうそうたる面々。だから、ギタリストが1人なのにベーシストが2人だったりするんだけど(笑)。でも、結果オーライですごく良いライヴができたから大成功だったことには間違いないかな。
──信頼してる仲間とだからこそ、いいライヴができたんだよね。
有紀:狙い通りだったと書いておいてください(笑)。
──今回はホント、普段では見られない新鮮なライヴでしたよ。
HIRO:今回はコーラスに力を入れることができて、最大4声っていう初の試みだったからね。
──チーム名は“ゴスペライス”だったよね(笑)。有紀くん+HIROくんの通常タッグに愛歌くんとHIROKIくんが加わって、息もピッタリで素晴らしかったです。
HIRO:リハの時点から、やって楽しかったよ。でも、全員で音を合わせたのは今日が初めてだったんだよ。
有紀:コーラスは4人で、バンドは演奏チームだけっていう形でそれぞれのリハはやってはいたんだけどね。全員集まってっていうのはスケジュールの都合上できなくて……。
──ゴスペライスで見事なハーモニーを聴かせてくれた愛歌くんとHIROKIくん、今日初めて全員で合わせてみてのライヴの感想は?
愛歌:楽しかったですよ。有ちゃんとは違う形で1回だけ一緒に歌ったことがあったんだけど、まさかriceに参加させてもらえるとは思ってなくて。 riceの曲って、聴けば聴くほど良い曲なのでどんどんハマッていったんですよ。 だからリハーサル前に1人で練習するのも楽しかったけど、早くみんなで合わせたいなっていう気持ちでいっぱいでした。実際やってみて、期待をはるかに越えた手応えを感じられて、幸せでした。
HIROKI:僕は、教室だけでは学べないことがいっぱい学べたので、とっても勉強になりました。(※HIROKIは有紀のボーカルレッスンの生徒)
──今日の弟子の出来はどうでした?
有紀:よかったと思いますよ、すごく(照)。2人には、あらかじめ、ライブでやると思われる曲の資料を渡してたの。その上で、それぞれの音域を考慮した上で歌うパートを割り振ろうって思ってたんだけど、すっごくしっかり準備してきてくれたから。それならってことで、今日になって急遽リードを歌ってもらう曲を入れることにしたし。
──riceレギュラーメンバーから見て、いつもと違ったコーラスワークはどうでした?
TEL-SEA:ハモりももちろんおもしろいんですけど、主旋を歌う人が変わると全然違った感じになるんだなって思いましたね。人によって、曲の良さが違ってくるんだなって。
──ベースが2本入って来たことに関しては何か影響は?
TEL-SEA:最初は正直迷ってた部分はありました。イメージ的に、楽器で主旋を弾くのはギターじゃないですか。でも今回は、それをベースで弾いてくれることもあるわけで。やってみるとそれがすごく良いんですよ。というところで、音域的にはギターの方が上だけど、役割的には俺は下を弾こうっていう考え方に行き着いて。
──ふーみんさんと淳くんは、昨年12月のサンフォニックスホールでも同じステージに立ってはいますが、今回はあの時とはまた違ったアプローチでしたもんね。
淳:サンホはソロバトルみたいな形でしたけど、今回は、1曲の中にお互いの色が入るっていうやり方でしたからね。
──共存してる感じでしたよね。
淳:そうなんですよ。で、自分はどうやって弾きたいかって思った時に、いつもはチェロの永山さんが弾くことで活きるフレーズを僕がやってみたらどうかなって思ったんです。僕自身、ふーみんさんのリズムグルーヴが好きなんで、自分が別のアプローチに廻った方がいいかなと思ったから。あんなに、ルートにいかないベースを弾くことってないですけどね(笑)。
ふーみん:そうだね(笑)。
淳:変態プレイでしたね(笑)。
ふーみん:さわやかな変態プレイ。
一同:あはははは!
ふーみん:ディストーションとかサスティンを無理に利かせるわけじゃなく、プレイ自体はわりと素なんだけど……やってることは変態なんだよね。だからさわやかな変態。
──(笑)。そんな、さわやか変態プレイの手応えはいかがでしたか?
ふーみん:昨日(前乗りして準備していたライヴ前日)の段階で、淳くんが打ち合わせを働きかけてきてくれたのでよりまとまりましたね。
淳:当日リハの時に最終的に確認すればいいかなと思ってたんですけど、時間的な面でちょっとビビッてもうて(笑)。 楽器を部屋に持ち込んだちょっとした時に、“ふーみんさん、お時間いただけませんか? 僕、こんな感じでフレーズを取って来たんですけど”って話をさせてもらって。
ふーみん:低音パートって、ダブルでいればいいっていうわけじゃないですからね。強弱だけではどうにもならないし、ある程度分け合わないといけないのでそこは話し合って。淳くんは、楽器隊リハでやったことを自分なりに洗練させてきてくれたんで、ディテールの詰め方を前夜の話し合いで考えた感じでしたね。すごく新鮮で楽しかったですよ。
淳:あと、ふーみんさんと僕は、曲に対する考え方が一緒だったんで……
ふーみん:そうだよね。だからそこをすりあわせる必要はなかった。
淳:(モジモジする有紀の顔を見て)どうしたの?(笑)
有紀:(モジモジしながら)俺も同じことを思ってた……。ふーみんも淳ちゃんも、どっちにもプレイに特性があって、ハッキリ断言できる違いがあるからこそふたりとも好きで。だから、“こういうプレイをお願いしたいな”っていう思いに応えるフレージングが自分の中にはあったりするんだよね。で、2人は、“絶対にここはおいしいだろう”って俺が思うところは全部押さえてくれる。曲に対して、2人が自分と同じことを思ってたのかなと思うと……(照)。
──うれし恥ずかしくてモジモジしちゃう(笑)。
淳:到達点は同じだったんだね(笑)。
──リズム隊の相方でもあるベースが通常ではありえない編成だったことで、HIROくんはどう感じた?
HIRO:俺はただ、よりしっかりしないといけないなって思ったかな。2本のベースが入れ替わりで動いたりするから、フレーズとかフィルがどうこうっていうよりは、 リズムの部分でしっかり支えなきゃっていう意識が強かった。
有紀:重低音って印象が強いでしょ。ルートの移行ひとつで楽曲の世界観が変わるぐらいの力を持ってるパートがふたりも存在するっていうのは、革命的でもあるし賭けでもあって。そこに、焦らず慌てずブレずに音を乗せてくれるギターがあって、サウンド的ないい軸を作ってくれたのが感じられて。すごく良いなあって思ったよ。
──そうそう、変わった編成っていう意味では、メンバーが円形になってお客さんを囲むっていう会場の作り方もおもしろかったよね。
有紀:あれは、そうくん(音響担当)のアイディア。
そう:メンバーが多かったんで、(音を)まとめるよりも広げたほうがいいかなって思って。まん丸でお客さんを囲む形は初めてでしたけど、今までにも、今回と同じ発想で会場を組んだことはあったんですけどね。
有紀:対面になってお客さんを挟む、みたいなことは前にもやったんだけどね。でも、今日の形はホントにおもしろかった。俺はホントに緊張してたから、あの作りを提案してくれたおかげもあって助かった。
──緊張してたの?
有紀:今日は全編通してピアノ&ヴォーカルだったでしょ? 弾きながら歌うって慣れてないから心ここにあらずだったりしたんだけど、ボトムとして作ってくれるサウンドがしっかり耳に入ってきたから、いつもと全然違うアレンジのはずなのに歌いやすかった。
愛歌:僕は今回、初めてriceの演奏に参加させてもらったんですけど、その初めてのステージが円形スタイルで良かったなって思いますね。普通のステージじゃ、コーラスの位置からヴォーカルの顔を見ることってまず出来ないじゃないですか。円形でみんなの顔を見ながらライヴが出来た事で、メンバーのみんなともどんどん仲良くなれた気がすごくするんです。
HIROKI:不安な時とか、周りの顔を見ると安心できますからね。
──このインタビューを読んで、今回のライヴを観られなかった人はちょっと悔しい気分になるかも……。また、観られる機会があるといいね。
有紀:ね。これ、良かったよね。機会があったらいろんな人に観てもらいたいよね。
HIRO:うん。
──ではでは、ライヴの話はここで締めるとして。1日目の行程を終えたところでの“春の好き間”の感想を聞かせてください。
愛歌:最初に有ちゃんが言ってたけど、『一緒にやりたい人を集めた』っていう事がすごく納得できた。有ちゃんとHIROくんで『rice』なんだけど、みんなすごく協力的で一緒にやれてる感覚がすごくうれしかったですね。
HIROKI:バンドでこういう催しをやることがスゴイなって思いました。特にクイズは感動しましたね。前夜の朝6時ぐらいまでみんなで準備してて。
有紀:押入れ(メンバー部屋内)に準備の余韻があるけど(笑)。
──クイズの進行上で使うジングルは、即席の押し入れスタジオで作ったんだってね。
HIRO:もちろん事前に準備はしてあったんだけど、せっかくみんなに来てもらったってこともあって色をつける作業をしてて。
──事前に作ってあった素材に、参加メンバーの声を入れたりしてたんだ。
愛歌:普段だったら絶対やらないようなことでも、2人に頼まれるとやっちゃうっていうマジックがあって(笑)。
ふーみん:結束力をすごく感じましたね。号令をかけるとか箍(たが)をきつくするっていうことじゃない2人のスピリットにみんながついていく美しさをすごく感じました。だからこそ、変則的な状況も可能にする懐の深さがあるのかなと。
TEL-SEA:何かしてあげたいって思わさせられるんじゃなく、自分も何かしたいっていう気持ちになるんですよね。普段のライヴでもそうなんですけど、音楽を離れた部分でも、“俺も何かできないかな”って思う。
愛歌:スーパーてるしくん(笑)。
TEL-SEA:2人が用意してくれたそういうトピックもあったりで(笑)、俺もがんばらなきゃなっていう気分になるんですよ。
淳:ホント、修学旅行みたいですよね。自分的に言うと、学生時代がとっくに終わって修学旅行の思い出なんてどんどんすたれていく30代ですけど……
一同:あはははは!
淳:その中で、“本気でオモロイことやろうや”って気持ちになるんです。でも、おもしろいことを本気でやるならケジメもキッチリつけなあかんし、楽しんだら楽しんだで投げっぱなしでもアカンし。みんなが周りを見て気配りしてるのがわかるから、使命感とは違ったところで、“俺も自分にやれることをやろう”って思えるんですよね。結局、楽曲に対してのアプローチも一緒なのかな?
ふーみん:そうだね。そこが分離してないんだよね。
淳:riceの2人の人柄や発想の振り幅の広さが音につながってるのかなって。2人が発信していくものが広がったのがこの旅なのかなとも思いましたね。
有紀:ホント、みなさんに感謝です。音楽面で言ったら、メンバーも言ってくれたように、新たな表現方法への挑戦でもあったし成功でもあったし。あと、自分の本業である歌でいったら、改めて、“1人じゃ歌は歌えないんだ”っていうことを感じて誇らしく思えた。いつもと違った編成だったからこそ、“支えてもらってるから歌が生きる”っていうことが感じられたし。みんなのことは、演奏面以外でもかなりこき使ってしまって(滝汗)。前日から入ってもらって、長旅の疲れも癒せないまま1日中フル活動してもらっちゃったけど……みんなのおかげで初日が無事に終わりました。すごくいい手応えを感じたし、感謝してます。ありがとうございました。
HIRO:ホントに、スタッフ含め周りの人たちに感謝ですよね。さっきみんなが、“自分たちで動きたくなる雰囲気がある”って言ってくれたのがすごくうれしくて。それを聞いて、今後は俺と有紀の2人がよりしっかりして芯がブレないようにがんばっていかなきゃいけないと思った。引き続きがんばります。
──ではでは、時間も時間ですし(午前3時)、お開きにしましょう。ホントにお疲れさまでした!