HP独占インタビュー【rice活動休止について】
第4回連載「海外見聞録」
第3回連載 特別企画「rice×ACID」
第4回連載「海外見聞録」 第3弾「ドイツ編」
中国の次に訪れたのはドイツ。ここでもエージェントの手違いが起こり、集まったお客さんの数はなんと…。ありえないハプニングが続出しつつも、たくましい結束力で乗り切ったチームriceの姿に迫ります!──中国の次はドイツだけど…ヨーロッパでの移動行程は、各国直じゃなくてポーランド経由だったんだっけ?
有紀:ドイツ→ポーランド間だけは直で行けたんだけど、随所でポーランドに行ってる。
──世話役がポーランドの人だったから?
HIRO:単純にそれだけの理由(笑)。
──地続きとはいえ、ヨーロッパは広いから、移動も大変だったでしょう。
有紀:ヨーロッパ内での移動は全部ロケバスでの地上移動だったんだけど、ポーランド→ドイツは30時間。
HIRO:え、30時間はかかってないでしょ。15時間ぐらいじゃなかったっけ?
有紀:そうだっけ? 移動中、俺様と風民とTEL-SEA(てるし)でウォッカとワインをめちゃくちゃ開けたよ?
HIRO:あれ? 夜出て次の日の夜に着いたんだっけ?
有紀:そうそう。30時間は大げさに嘘つきたかっただけだこんちきしょう。でも20数時間はかかってるよ。こんちきしょう。
──20時間でも30時間でも、どっちにしてもすごい距離&時間だよね。日本じゃそこまでの規模の移動ってなかなかないと思うし。体調管理も大変だったんじゃない?
有紀:厳しかったよ。でも、同じメンバーと長い時間一緒に車に乗ってても、息が詰まるとか辛いとか、そういうことが一切なかったから助かった。スタッフを含め、メンバー間での団結力にはすさまじいものがあったから。
──毎日、お酒をともにして語り合うぐらいだもんね(笑)。
有紀:とはいえ、最初はやっぱり不安があったよ。共同生活に近い状況になると、どうしても不満が溜まったりするのかなって。
HIRO:基本、ひとり部屋はなかったもんね。最低ふたりで最大で6人の部屋割り。
──それでも不協和音が出ることなく、いろんなトラブルもみんなで乗り切った。
有紀:ホントにひどい環境が多かったんだけど、そういうことを通して、自分たちが持ち据えてた底力に気づけたから。それが、結束力の深まりと同じぐらい、このツアーを通しての一番の収穫だったかもしれないな。
──次のドイツでも何かハプニングがあったり?
有紀:ドイツは、ビックリするぐらいお客さんが少なかったよね。
HIRO:20人ぐらい。
有紀:やたら少ないな…と思ってたら、ドイツのオーガナイザーが告知し忘れてたみたい。
──えーっ、また!?
HIRO:もうね、そんなことばっかりだよ(苦笑)。
有紀:最初に聞いた話だと、“今、ドイツではすごい数の日本人バンドがライブをやってるから、(客割れの)痛み分けは否めないから”ってことだったの。でも、よくよく聞くと告知のし忘れ。あれは笑ったよね! そりゃ、プロモーションしなきゃお客さん来ないでしょっていう。
──集まった20人はどうやって情報を仕入れてたのかな。
有紀:riceのことをもともと知ってたお客さんが、ホームページを見ててくれたみたい。自分の国でやるライブなのに、日本語で書かれてる情報を見て来てくれたっていう。
──じゃ、20人と少なかったとはいえ、熱心なファンが集まった感じだった?
有紀:みんな濃い感じだったよ。だから、ノリは格別だった。今回の海外ツアーの中で一番いいノリだったかも。
HIRO:それにさ、ドイツでは、泊まるはずのホテルの予約が取れてなかったんだよ。で、現地に着いてから急遽別のホテルを取って。あと、ライブハウスも、最初に案内された場所が違うところだった。
有紀:そう。連れて行かれたところでずーっと待ってたら、通りがかったおじさんが“ここはライブハウスじゃないよ”って教えてくれて。
HIRO:後から気づいたんだけど、そのおじさん、その日のPA(音響さん)だったの(笑)。
有紀:そう。背が高くて無精ヒゲの似合う舟木さん。
──日本人?
有紀:いや、ドイツ人。
HIRO:名前がわからないから、こいつが勝手にあだ名つけてたの。
──いやいや、ホントに、日本じゃありえないようなことが海外だと平気で起こるものだね。
~~次週へ続く~~